日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

 

5月31日(土)、日本人ことはじめ講座「日本の美/日本美術の楽しみ方」が開催されました。

 

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日本美術のことならお任せ!村田先生

この日、講師の村田先生は、いくつかの風呂敷包みを抱えてお越しになりました。

そのうちの一つが、日本人ならだれでも知っている日本画のひとつ、「鳥獣戯画」のレプリカです。

鳥獣戯画は、世界最古の漫画ともいわれ、千年前の作品を紙で残していること自体、

世界的にみても非常に価値があることなのだそうです。

みなさん国宝である鳥獣戯画をどこかでみたことはあっても、

かえるとうさぎの相撲など、一部分に限られているのではないでしょうか?

それもそのはず、実際の作品は全長18mもある大作で、

展覧会でも一度に全貌をみることはかないません。

そこで「端から端までみてもらうには、絶好のチャンス!」

とお考えになった村田先生、たいへん高価なレプリカゆえに

所蔵する大学が渋るのを圧して、本講座のためにわざわざお持ちくださったのです!!

格別のご厚意がとてもありがたく・・・

またとない機会に恵まれた参加者のみなさん、幸運でしたね!

 

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うやうやしく取り出したる巻物を展開していきます。



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さまざまな表情や動きをみせる動物たちの見どころを、一つひとつ丁寧に解説して頂きました。

 

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こんな近くで実寸大の鳥獣戯画を細部にわたって鑑賞することは、おそらく後にも先にもないのでは?

 

村田先生によると、鳥獣戯画は作者が不明であることを含め、謎の多い作品なのだそうです。

そのひとつが画中の草木はあとから書き足されたものではないか、というもの。

しかもその書き手は、風神雷神図で有名な「俵屋宗達」説が有力なんだそうです!!

作品自体は約千年前に描かれているため、宗達の時代にはすでに六百年が経過しています。

六百年前の傑作に筆を加えるという行為は、よほど自分の腕に自信がないとできることではありません。

違う時代を生きた天才たちのコラボによって出来上がった「鳥獣戯画」、じっくり堪能しました。

 

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次に村田先生が個人で所有されている

大橋翠石(おおはしすいせき)の作品を見せていただきました。

パリ万博で金メダルの栄誉に輝いた翠石は、躍動感あふれる虎の絵で名を馳せました。

この作品は写真でお見せできないのですが、切手大の風景画集です。

鳥獣戯画とは反対に、その小ささゆえに展覧会への

出品が難しいため、この場にお持ちくださったものです。

その細かさたるや、肉眼では確認しにくいほど。

この作品が先生の手元に来た経緯、コレクターとのやりとり、

細密画を描くときの技法など興味深いお話が続きました。

 

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最後に、大阪ゆかりの女流画家、河辺青欄の作品をご紹介いただきました。

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描かれているのは、百合根、柿、大きな橙。

この絵には「すべてのことがうまくいきますように」という祝意が

込められていますがその読み解き方を教えていただきました。

 

作品鑑賞の合間に挟まれる、国宝を扱うときの心得・所作、

大切なものを納めるときに桐箱を使うわけ、風呂敷やお軸の扱い方など、

日本画をめぐるトリビアも初めて聴くことばかりで、

「へえ!」「ほう!」という驚きや感心の声もたびたび。

受講者のみなさんの体重がぐぐっと村田先生に傾き、教室は静かな熱気に包まれていました。

 

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お道具類の扱い方、手さばきも鮮やかに実演してくださいました。

 

事後の感想です。

「先生がいかに鳥獣戯画が好きか伝わってきて、私も好きになりました」

「教科書でしか見たことのなかった作品を、レプリカで見られてラッキー。

また桐箱や風呂敷の扱い方など、底辺で日本の文化は全てつながっていることを実感しました」

「最小限の表現で動物たちの気持ちが伝わってくる。すごい表現力だと思いました」

など、「ほんとに楽しかった!また受けたい」というお声をいくつも頂戴しました。

 

トリミング

 

また、当初参加するつもりのなかったリピーターさんに「絶対おすすめだから!」と受講を促した結果

「内田さんのいうとおり!講座、参加してよかったです。

直接間近で見ると、感じるものが全然違いますね。これからは日本画にももっと触れてみたいです」

という嬉しいお言葉も頂戴しました。

 

講座終了後は、場所を移して有志参加による茶話会を。

村田先生が国宝の仏像をフランスの美術館に貸し出したときの苦労話から

座敷わらしに夜這の風習(!)の話まで、楽しいおしゃべりが続きました。

 

次回シリーズで村田先生の講座を設けたあかつきには、

みなさん、騙されたと思って参加してみてください!

村田先生の話を聴くたびに「こんな話、みんな知らないままでいいのかな~」ともどかしい思いです。

日本画の奥深さ・豊かさに触れて、上記のリピーターさんのように一気に日本画との距離が縮まるはず。

きっと、うれしい誤算になりますよ!

 

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ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。