日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

今年のお正月は夫の実家があるフランスで過ごしました。

毎回なにかしら義理の両親への手土産を持参しますが、

今回義母には新しい掃除機をプレゼントすることに。

今使っている掃除機は重くて、小柄な義母には扱いにくそうだったからです。

本来なら日本製を贈りたかったのですが、欧州で使える軽量の製品はなく、現地のものを買うことにしました。

 

皆で某スーパーに出向き、夫があらかじめ目星をつけておいた

ドイツ製の掃除機のストックを探しましたが見当たりません。

担当者に尋ねようと思っても、そこはフランス。

売り場には誰もいないので、PC売り場にいたスタッフを義母が呼んできました。

掃除機売り場まで呼ばれて来た彼、ストックがないことを知るとこう言いました。

「ストックがない・・・貴女が『ある』と言ったからわざわざここまで来たのに。

無駄になった私の時間をどうしてくれるんですか、マダム」

 

どうやら義母と彼とのやりとりがちぐはぐになった様子。

彼も冗談のつもりなのでしょうが、それを聞いて苦笑しつつも受け流す義母。

つまりフランスでは、このような接客は怒るに値しないということ。

フランス人にとっては慣れっこの光景なのです。

 

しかし、日本式の接客に慣れた夫にとって、このスタッフの態度は度しがたく・・・。

私が夫に「彼はなんと言っているの?」と聞いても、その場では「言いたくない」と憮然とした表情です。

自宅に帰ってから堰を切ったように怒りをぶちまけていました。

「あいつが着ていたユニフォームの背中に何て書いてあったか?『御用はなんなりと』だぞ!!

一体あいつは何のためにあの店にいるのだ、客の要望に応えるのが仕事じゃないのか?

それで食ってるんだろ?!それなのに『ストックはなくても注文はできない』とか

『在庫管理表上ではまだ2個あるから自分で探せ』とかふざけるな!!」

 

さて、お目当ての掃除機ですが・・・

たぶん所定の場所には置かれてないだろうと考えた私が通路を挟んで向かい側、

アイロンの陳列棚を探して無事発見に至りました。

フランスでは日本のように物事がスムーズに運ばないので、

欲しいものを手に入れるための後々の手間を想像して、

探している間は「頼む、あってくれ!」と祈るような気持ちでドキドキしていました。

あらぬところにあった掃除機を探し当てた私をみて、夫は「シホの方が、フランス人のエスプリ(本質)を熟知している」と妙な方向で感心していました。

 

次回は、帰国後に私が遭遇した日本の接客のお話です。