日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

 

6月13日(土)、日本人ことはじめ講座「日本の民/知られざる日本の習俗」が開催されました。

私個人としても楽しみにしていたこの日の講師は、大森亮尚先生です。

 

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仙人のような風貌の大森先生。本当に仙人かも・・・

 

なぜ日本人は花見をするのか。

 

日本の幽霊 はなぜ柳の下に出るのか。

 

船の名前に”丸”をつけるの はどうしてか。

 

日本ではなぜ白い車が好まれるのか・・・

 

ふだん気にも留めていない日常の光景を裏返して見てみると、古代から綿々と続く日本人独自の行動様式や感性が浮かびあがってきます。

 

あるカルチャーセンターで大森先生の講座を受講し、民俗学の視点から日本人を眺める面白さに引き込まれました。大学では民俗学を専攻すればよかった!と悔いるほど。

 

そこで、ぜひ日本人ことはじめ講座でもご登壇頂きたいと先生にお願いし、全国から講演依頼が舞い込むご多忙の中、開講の運びとなりました。今回は民俗学雑考として楽しくお話していただくことに。

 

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冒頭、先生が民俗学に進むきっかけとなったアメリカ人神父とのエピソード-トラブル解消のため日本人には自然に備わっている心の水洗装置が外国人にはないことに気づいた経験-からお話はスタート。

続いて首相官邸に出ると噂される幽霊の話、怨霊と化した幕末の志士に話題が及ぶと、みなさんの意識がぐっと前のめりに

次に、普段何気なく使っている言葉の語源について。
たとえば「やばい」。

 

現代では「このラーメン、やばい。超うまい」などという使われ方をしますが、先生が一年かけて調べた結果、もともと盗人が番屋(ばんや→やんば→やばい)を警戒したことから転じた言葉だと判明したそうです。つまり盗人の隠語。

 

ですから、大森家ではお孫さんが「やばい」と言うと、その回数によってお年玉は減額になり、逆に先生が唱える百人一首の上の句に続けて下の句がいえれば、ポイントは挽回できるルールになっているそうです(笑)

 

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いつ上の句が飛んでくるかわからないので、お孫さんたちは気が抜けないらしいのですが、日本語の語感や情緒を養うのにとてもよい教育だと思いませんか?

 

恥ずかしながらこの私も大森先生の前で「やばい」と発し、「女性がそんな言葉使っちゃいけません」とたしなめられたことが・・・もちろん、それ以来一度も使っておりませんよ!

 

さらに、日本人の相槌の回数と打ち方の特徴、カラスやうぐいすとのコミュニケーションの取り方(!)、火打石や刺青にみられる後ろ姿の美学、飛び降り自殺するときに靴を脱いでそろえる日本人の習性、日本人と傘の関係、幽霊が柳の下に出る理由・・・と、興味深いお話が続きました。

 

後ろから見ていると、みなさん大きくうなずいたり、感心したり、驚いたり、笑い声が上がったりと、先生のお話やお人柄に引き込まれている様子が手にとるように伝わってきました。

 

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最後に、第12回和辻哲郎文化賞を受賞した渡辺京二著「逝きし世の面影」(大森先生はこのときの選考委員だったそうです!)から、駐日フランス大使だったポール・クローデルの言葉を紹介してくださいました。

 

「日本人は貧しい。しかし高貴である。私が滅びてほしくない民族を一つあげるとすれば、それは日本人だ」

クローデルさんの思いに応えられるように、私達は自分の足元を見つめ直し、来し方行く末に思いをいたさねばなりませんね。

事後の感想です。

「話が面白くてあっという間だった。もっと聴きたかった」
「あんな先生が大学にいたら絶対ゼミに入る!」
「何気なく使っている言葉にもっと気をつけなければ」
「そう言われてみれば、という着眼点が凡人とは違う」
「話も面白いけど、大森先生自身が素敵」
「妖怪と怨霊の続編に期待」

 

はい、皆さまの熱い期待に応えるべく先生のご事情が許せば続編をお願いしたいと思います。今回参加できなかった方も、お願いですから次回は来てください(笑)私は死ぬ前に大森先生の話が聴けてよかった・・・と思っているくらい面白いので!

 

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ご参加くださったみなさま、誠にありがとうございました!