日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

7月5日(日)、日本人ことはじめ講座「日本の舞/地歌舞-鑑賞と体験」が開催されました。

当講座初の身体系ワークショップは、常連受講者である森本由美さんの発案がきっかけとなり、和の素敵さんとの共同企画として立ち上がりました。

この日の講師は、地歌舞山村流師匠の山村若女先生です。

地歌舞は、ここ上方で発展してきた座敷舞です。江戸時代後期、社交場であった酒宴の席に舞は欠かせないものであり、埃を立てぬよう一畳の空間でも舞えるようにと配慮されました。

その全盛期、山村流の師匠は大阪の一町に一人いたといわれるほど流行しており、「山村流の舞を習っている」と言えばそれだけで お行儀がいい人 と思ってもらえたそうです。お辞儀の仕方から立ち居振る舞い、歩き方まで教えてもらえ、背筋を伸ばして指先まで神経をつかって舞うからです。

 

はじめに舞の起源や山村流についての解説があり、続いて若女先生の舞「小簾の戸(こすのと)」を鑑賞しました。その歌詞は次のようなもの。

 

浮き草は 思案のほかの誘う水 恋が浮世か浮世が恋か

ちょっと聞きたい松の風 問えど答えぬ山ほととぎす

月やは物の やるせなき 癪に嬉しき男の力

じっと手に手を何にも言わず 二人して釣る蚊帳の紐

 

御簾の内には密やかな色香があり、その外にはままならぬ恋や憂き想いがある・・・と唄った艶物(つやもの)の代表曲です。

いいですねえ、このしっとりとした感じ。あからさまでない想いの表現が日本的情緒そのものといった風情。

 

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先生がお辞儀をしたときから、場の空気がガラリと変わります。

 

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その瞬間から、先生の表情は舞手のそれにドラマティックに変化。

 

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舞台を遠目に見ることはあっても、先生の息遣いまで感じられそうな距離で舞を鑑賞する機会は、なかなかないのではないでしょうか?贅沢な空間です。みなさん、うっとりと鑑賞なさっていました。

 

次にいよいよ、舞の体験です。隅田川を題材にした端唄(はうた)を一曲通して教えていただきました。みなさん、先生のように色っぽく舞えるでしょうか?

 

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まずは姿勢を正してから、立ち方の基本です。

丹田に気持ちを集中させ、身体に一本の筋を通すような意識で。舞だけではなく武道においても基本は同じです。

次に、男性は男性の、女性は女性の足の運び方を。

 

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手ぬぐいを使った船を漕ぐ仕草など、表現にアクセントをつけます。

 

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やっとん、やっとん、やっとんとん!という独特の掛け声に合わせて優雅に舞うみなさん。

 

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決まってますね、いい感じ!

 

一曲終わったあとのみなさんの晴れ晴れとした表情が印象的でした。日常にはない仕草や動作、筋肉の使い方が新鮮だったようで、口々に「楽しかった!」「宴会芸にしたい!」「素敵な企画に感謝感激、自分でも習いたくなった!」「もっと練習したかった~」と言っていただけ、企画者の森本さんともども嬉しく思いました。

 

歩き方 、手の動かし方を変えるだけで 女性も老人も瞬時に表現される若女先生。西洋のバレエやダンスにおける自己表現とは異なり、地歌舞は「舞う」ものであり「踊ってはダメ」と教わるのだそうです。「型を極めて型を自分のものにすると意(自分なりの表現・解釈と理解しました)がついてくる」 と、最近やっとわかってきたとおっしゃっていました。一芸を究めた人の言葉は深いですね。

 

講座の後は有志が若女先生と昼食をご一緒しました。先月の民俗学の講座が話題にあがり、それに関連して若女先生が吉野山の言い伝えを披露してくださるなど楽しい会話が続きました。

 

 

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場所を移してみんなでランチ♪

 

日舞の師匠と聞けば気難しそうな方を想像しがちですが、若女先生は本当に気さくで、どこか茶目っ気のあるチャーミング方なので「面白そうだな」と思ったみなさん、次回は気軽にご参加くださいね。

唯一の心残りは・・・事務局の内田は舞を体験できなかったことです!次回は誰か代わりに事務局を担当してもらえませんか?(笑)

 

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森本さん、和の素敵さん、ご協力ありがとうございました。

ご参加くださったみなさま、誠にありがとうござました。