日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

6月26日(日)、今年最初の日本人ことはじめ講座、日本の美【日本刀/魂の宿るもの】が開催されました。

内田が企画をサボっていたせいで(ごめんなさい)皆さまとお会いするのも半年ぶり。そんな和えの会に愛想を尽かすことなくお元気な姿を見せてくださったリピーターの皆さまには、この場を借りて厚くお礼申し上げます!!

今年第一弾の講座はどの先生にお願いしようかと考えたとき、やはりこの方、まいど内容に外れなし!の村田先生(大阪国際大学)に先陣を切っていただくことにしました。

今回のテーマは日本刀。去年の講座で「和紙に続いて文化遺産登録するなら次は日本刀!」と村田先生がおっしゃっていたからです。

ご覧ください、当日の村田先生のいでたちを。武士ではなく、あえて外して?浪人姿で場の雰囲気を盛り上げてくださいました。

 

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この恰好のまま電車に乗って来られた(!)というサービス精神あふれる村田先生。

 

日本刀は武器にも関わらず、古来より魂の宿る神聖なものとして取り扱われてきました。そのせいか日本刀は、他の美術品とは一線を画す特別なジャンルに属するそうです。

日本刀の売買を家業としている友人の話ですが、愛好家たちは店側が何も言わなくても、なぜか「いわくつき」(人を切ったとか)の刀を選ぶとのこと・・・やはり刀には何かが宿るのでしょうね。

 

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講座では、刀に関連する言葉が沢山あることや、展覧会準備の裏事情、刀の切れ味のすごさ、手入れの心構えなど、興味深いお話が続きました。

刀に関する言葉は、今も色褪せることなく私たちの日常会話で使われています。

「相槌を打つ」「反りが合わない」「切羽詰まる」「恋の鞘当て」「目抜き通り」・・・

先生はこれらの言葉と刀との関係について説明してくださいました。たとえば「土壇場」。もともと罪人の首を切る刑場のことを意味し、のちに決断を迫られる最後の場面などに転用されたとのこと。

そして、この土壇場に罪人の死体を並べて新刀の試し切りが行われました。重ねた二つの死体が切れれば「二枚胴」、三つの死体が切れれば「三枚胴」と格付けされたのです。なんとも物騒なお話ですが・・・。

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お話を聴く側も、いつもより心なしか「真剣」。

 

先生は、大学の許可を得て非常に精巧に作られた名刀のレプリカ(大変高価なもの)を持参し、学芸員流の日本刀の手入れ方法も実演してくださいました。

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まず慎重に抜刀してから・・・

 

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部材を一つひとつばらしていきます。

 

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「切羽詰まる」の切羽がこちら。

 

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小柄(こづか)。刀身が鞘から抜けないように固定するためのもの。護身用の小刀やペーパーナイフにもなる。

 

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刀を手入れするための油。カレーのスパイスとしておなじみ、丁子(クローブ)が配合されています。

 

切れ味の鋭さは世界でも「折り紙付き」(この言葉も刀剣の鑑定書が語源です)の日本刀なので、四振も手入れすると神経がすり減ってヘトヘトになるそうです。指を切り落としてしまった場合に備えて、事前に病院を調べておくほど。

ある日、細心の注意を払って刀の手入れをした村田先生、自宅に戻ってから背筋が凍る思いをしました。なんと、知らないうちにデニムのシャツの袖が縦にすっぱり切れていたのです。いつ切ったのか全く思い当たる場面がなかったといいますから、日本刀の切れ味の鋭さがおわかりいただけると思います。

最後に、伊達正宗の愛刀を、その波紋の形状まで精巧に模したレプリカをそれぞれに一振り!

 

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えいっ。

 

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やーっ。

 

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とおーっ。

先生のお話が終わると自然に拍手が沸き起こりました。皆さまには今回もご満足いただけたのではないかと思います。

事後の感想です。

・刀に関係する「言い回し」が現在でも日常会話に多く使われていて、しかも古めかしくなっていないことに驚きを感じました。殺傷力のある道具としてではなく、刀匠による製造工程での精神の注入が、日本人 の魂と強固に結びついているのかもしれません。

・日本刀の製造過程と作品には日本なるものの真髄が込められているのだということがわかりました。お話を聞いて日本の真髄と精神に少しは肉迫できたのではないか、と嬉しく、又誇らしくも感じた次第です。

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・学芸員をしておられた時の情報収集は、人間関係を築くこととほぼ同じで、個人所有主からお茶を出されて作法を知らなければ足元を見られ、体よく追い払われ、美術品を借りる事など出来ないので、茶道は習っておく必要があると仰った事が印象に残った。

・特に刀のこしらえについての話が興味深かったです。想像していた以上に、沢山の部品が使われており、それぞれが美しい芸術品なのだと知りました。間近にみれて良い経験をさせて頂きました

・私は、刀に関する知識が無く全てが初耳で新鮮でした。そんな素人を2時間でグッと刀に惹き込む村田先生の講演の素晴らしさを感じました。

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・実は今回あまり興味がなく(すみません・・)、講座中に睡魔がやってこないか心配していましたが、そんな心配は皆無でした~今後、日本刀について触れる機会があれば、今までと違う気持ちで対することが出来ると思います。

・刃引とはいえ、名刀を忠実に再現した模擬刀を直に持たせていただき、その伝統技、芸術性、重量感等に圧倒された。このような貴重な体験もありがたかった。

・予定の二時間が大変短く感じられるほど、興味深く楽しい充実した講座でした。

 

講座終了後は、村田先生を囲んで有志ともどもランチを。最後まで充実した一日でした。

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博識な村田先生の番外編も必聴。

 

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ご参加くださったみなさま、まことにありがとうございました!