日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

2月3日(土)、日本人ことはじめ講座「日本の民/日本人と物の怪」が開催されました。

内田個人としても楽しみにしていた大森先生の民俗学講座。

この日、「まどわし神」に出遭ってしまった?大森先生

 

目に見えない存在-霊魂や怨霊への信仰を通して見えてくる日本人の姿を求めて民俗学を志したという先生は、非業の死を遂げて怨霊になった故人や異国の地で亡くなった日本兵など、歴史の表舞台から忘れ去れた人たちへの敬いの気持ちを忘れてはいけないとおっしゃいます。

怨霊を不吉なものと遠ざけ毛嫌いするのではなく、「敬いの気持ちで真摯に向きあう」ことが大切だと。

私は、大森先生は怨霊をも抱き込む懐の持ち主のように感じています。先生のお話はいつも深い示唆に満ちており、「自分ならどうするかな」「自分の普段の行いはどうだったかな」と振り返ることになるのです。

この日、先生は予定の時間より遅れて到着なさいました。聞けば「まどわし神」の仕業ではないかとのこと。そこから山では道に迷わないように山の神に弁当を少し残しておく風習があることや穢れを祓う節分の意義について、お話が展開していきました。

ところで怨霊と幽霊の違いをご存じでしょうか。怨霊は天皇家に祟るものを指すそうです。天皇家に祟ることは、国家に祟ること。それゆえ怨霊になられた方々は、天皇陛下をはじめ後世の人々の祈りによって今日まで手厚く祀られています。

怨霊が祀られた場を粗末に扱っていると、警告の意味で続けざまに火事や事故が起こります。怨霊が発動したと考えられる現代の事件や事故について、先生が2,3事例を挙げてくださいましたが、「なるほど」と思わせる説得力がありました。

先生は上記のいずれの場もご存じで、後々大変なことになると予見なさっていたそうです。この辺で皆さんの背筋がぞくっとしたのでは?(笑)

先月実際に起こったある火事のニュースと怨霊の関係を説明する先生。

 

そして「もの」と「こと」という言葉の使い分けや「神(かみ)」「霊(たま)」「物(もの)」の棲み分けの話に続き、今昔物語に登場する妖怪の物語を精読しながら、先生が「人生で一番怖かった」という無人駅での一夜の出来事、「見てはいけない」と言われたものを見るとどうなるかという戒め、先生ご自身が怨霊に護られた話・・・などの話題が続きました。

参加者の皆さんから寄せられた感想です。

■怨霊や妖怪など知らない事だらけで興味深く面白かったです。個人的には怨霊の話をもっと聞きたかった、と感じました。

■まどわしの神からはじまり節分や立春の意味、崇徳天皇の怨霊のお話、知らないことばかりを楽しく学ばせて頂きました。

■今昔物語、箱を開けたら「目ん玉と男性性器が!!」これはびっくりなさったでしょうね。私事、見るな!とわかっていても、見てしまい不幸が始まったことがあります。見るな!と言われれば余計見たくなる、これは今も昔も同じでございますね。また次回を楽しみにしております。有難うございました。次の元号に「光」の文字が入ったら、もっと先生をご尊敬いたします。

 


■「怨霊、幽霊、妖怪」「神、霊、物」の違いをあらためて知る。節分に関係する話もあり『節分=豆まき」だけの理解だったが、厄払いの意味や立春との繋がりなど知っておきたい内容が身近にある事を、気付かされた。

■目に見えないけれど神様が送っているサインというのは日常に溢れているのだなと感じました。また、そのサインをただの出来事として捉えるのではなく神様からのサインだと捉えてみる感受性を持つことで、様々な事柄に対して心構えになるのだということに「なるほど」と思いました。
■先生のお話を聞いていると家の神棚が放置されているのが気がかりになりました。近々、きちんとしたいと思います。
■モノとコトの違いや、かみ、たま、もの、の棲み分けの話も、普段意識していなかった話で大変興味深かったです。

■最後の今昔物語は学生時代に少し習ったものの当時は小難しいなぁという印象でした。ですが、先日先生が読み上げ解説して下さりこんなにも面白いんだと驚きました!先生が読んでくださると不思議に情景が浮かんでとても楽しかったです。こちらも機会があればまた他の話も読んでみたいです。また機会をいただけましたら、ぜひ大森先生の体験談など色んなお話をお聞きしたいです。

■天皇家に祟る=国家に祟ると同義であること。明治維新以後「怨霊」となった総理が一人もいないこと。もっと言えば、朝廷が実質政権を失った鎌倉中期以降から現代まで有名どころが少ない点を考えると、「怨霊」は為政者としての天皇無しには存在しえないのかな?と感じました。

■モノ、コトの区分などは漢言葉が入る前から、我々の生活に根強く残る「やまとことば」を想起させて非常に興味深かった。怪を感じる感性をお持ちの先生の語り口に引き込まれました。

■先生のお話はとても面白くて、先生の本をアマゾンで買って今読んでます。怨霊も幽霊もモノノケも同じと思ってたんですが、いろいろ違うんだと目からウロコでした。

 いかがでしょうか。先生のお話の中では京都や奈良の地名がよく挙がります。いつか先生の案内で、いわれのある土地を巡るツアーを実施しても面白そうですね。

ご参加くださった皆様、まことにありがとうございました!