4月2日(日)、日本人ことはじめ講座「日本の句/春の吟行」が開催されました。今回は日本政策研究センターの奈良支部にあたる「まほろばフォーラム」と「和えの会」との合同企画です。
今回の講師は、光学機器メーカーの技術者を経て在中国日本語学校の副校長を務めたという異色の経歴の持ち主、中村昭義先生です。
冬の戻りを思わせる前日のお天気とはうってかわって、当日はうららかな春の日差しのもと12名の有志が集合。石舞台で知られる奈良県明日香村、稲渕の棚田周辺を中心にめぐりました。
垣根の向こうに見えるは石舞台。
「明日香村は子供のころの遠足以来」「人生で二度目」「全く初めて」という声もあり、散策そのものを楽しみに参加された方もいらっしゃいました。
道中のみどころは、まほろばフォーラムの宇野事務局長が解説。さすが自国と郷土を愛する国士だけあって、歴史や文化にお詳しい!勉強になります。
蘇我馬子の墓?
子孫繁栄の象徴、マラ石。
その昔、疫病を食い止められるようにとの願いが込められたという男綱(おづな)。
稲渕の棚田。開墾は平安時代にさかのぼるとか。
前日まで寒い日が続いたので桜はつぼみのまま。ソメイヨシノとは違う品種の桜は咲き始めていました。桜を題材に一句作りたかったなー。あな悔し桜の開花あと三日。
棚田を眺めて一句。
座って一句。
この気持ちに適ういい表現はないかな~と頭をフル回転させて、ぴたっと言葉が嵌ったときの爽快感がいい!
立ち止まって一句。
途中お弁当休憩をはさんで、約4時間と1万歩の散策を終え句会場へ。
句会は次の流れで行いました。
① 自作の句を5つ選び、1句ずつ短冊に書く。今回は参加者12名なので全部で60句の短冊が出来上がる。短冊は無記名なので誰の句かわからない。
② ①をシャッフルして1人につき5つの短冊を割り当てる。
③ 各人が②を清記用紙に書き写す。今回は参加者12名なので全部で12枚の清記用紙が出来上がる。
清記用紙。
④ 12枚の清記用紙を順次回しながら、各人が好きな句を選んでメモしておく。ただし自分の句は除く。
⑤ ④の中から気に入った作品を5つ選び、選句用紙に書き写す。今回は参加者12名なので12枚の選句用紙ができあがる。また5つの中で最も気に入った句には〇をつけておく。つまり全60句の中から5句に絞り、さらに最高の1句(=「共鳴」と言います)を選ぶ。選者名も記しておく。
⑥ 12枚の選句用紙に書かれた句を一つずつ講師が読み上げる。自分の句が読み上げられたら名乗る。ここで初めて作者が判明する。
⑦ 成績発表。
それでは、受賞作品のご紹介です!
高点句賞。上記⑥で読み上げられた回数の多い句が該当。同点で次の3句が選ばれました!
花冷えの棚田寂しやあるじ待つ ・・・Uさん作
千年の棚田を肥やす紫雲英(げんげ)咲く ・・・Yさん作
里山をバイクが走る春分けて ・・・Sさん作
左からYさん、Uさん、Sさん。女性二人、俳句は全く初めて!
和えの会賞。和えの会代表、内田が共鳴した句が該当。
里山をバイクが走る春分けて ・・・Sさん作
高点句賞に続いて二冠目!Sさん。
まほろば賞。まほろばフォーラム上松代表が共鳴した句が該当。
ほつれ髪光るうなじに春の風 ・・・Tさん作
艶っぽい句でみごと受賞、Tさん。
最優秀賞。中村講師が共鳴した句が該当。
里山をバイクが走る春分けて ・・・Sさん作
3冠王!!中村講師から記念品を授与されるSさん。
結果、なんと俳句初挑戦のSさんが4つのうち3つの賞をかっさらっていくという快挙を成し遂げられました。お見事!!受賞者の皆さま、おめでとうございます!!
内田は、5つのうち4句に票が分散し受賞にはいたりませんでしたが、私の句を共鳴に選んでくださった方が3人もいたので満足しております♪
また、私が共鳴に選んだSさんの句(里山をバイクが走る春分けて)が中村講師と同じだったことも、俳句を読み解く目が肥えてきたように感じ、うれしく思いました。
皆さん口々に「すごく楽しかった!!次も参加します!!」と大満足のご様子でした。私も、こんなに充実した一日は近年なかなかないなと思うほど楽しかったです。次の吟行が今から待ち遠しいくらい。
それまで腕を磨いて、また皆さんにお会いしたいと思います。
会心のスマイル!楽しかった~。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!