日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

先日、堀江にある家具屋に立ち寄ったとき、立派な桐の箪笥が目に入りました。

 

泉州の桐箪笥でした。大阪、泉州の桐箪笥は日本の伝統工芸品に指定されている名品。素人目にみても職人さんの丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。「ちょっと目の保養をさせてくださいね(買えないけど)」と美しい木目が浮かび上がっている箪笥をホレボレと眺めていたら、お店の方がいろいろと教えてくださいました。

「桐は湿気を吸い込むと膨張し、引き出しが開きにくくなることがあります。密封することで中の衣類を守ります。また他の木材より発火点が高いので燃えにくく、貴重品の保管に向いているのです。

また、『几帳面』という言葉は桐の加工の一技法を指し、『あいつは几帳面ができる』というところから転じて今の用法になったんです」など。

中でも一番驚いたのは、桐箪笥の表面の色付けの方法です。

 

 

「夜叉の実」とよばれるこの松ぼっくりのSサイズ的な実。私も華道の花材として用いたことがある、なじみのものなのですが。

その夜叉の実を煮出して抽出した色を桐の表面に塗っていくのだそうです。

そんな使い方は知らなかった!!一体、誰がそんなことを思いついたのか・・・。

しかも、この実を探し出す専門の職人さんがいるとのこと。彼らは、どの実がいい色が出そうか瞬時に見分けるらしいです・・・!日本の伝統工芸は一つひとつの過程が細分化されており、その一つひとつにとんでもなく長けたエキスパートが携わっているんだなあとため息。

この偏執的なまでのこだわりに支えられた日本の工芸品には、世界のどんな名産品もかなわないかも。

お店の方は「実は木工を教える学校には毎年大勢の学生が集まります。でもその道で食べていけない。つまり需要がないから、みんな別の進路を選ばざるを得ない」。

「激安家具」などと銘打ち、驚くほどの安値で買える家具が出回っていますが、これらはまず間違いなく中国産。私も買ったことがありますが、やはり時間の経過につれガタツキやアラが目立ってきます。

やはり高いものには高いなりの理由、安いものには安いなりの理由があるんですよね。

私はあるときから日本のモノ作りを微力ながら支えたいと思うようになったので、何かを買うときは「Made in Japan」かどうか確認しています。

今回、残念ながら高級桐箪笥に手は届きませんでしたが、好みのサイズに仕上げてもらえるチェストを二棹、発注しました。今頃職人さんが九州の工房で作ってくださっているはず。完成品の到着が楽しみです!