日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

10月15日(日)、日本人ことはじめ講座 日本の庭【日本庭園の魅力とみどころ】が開催されました。

この日の講師は、NPO国際造園研究センター理事長の吉田昌弘先生です。

日本造園学会賞(設計作品部門)、チェルシーフラワーショー金賞および最優秀賞受賞、日本造園学会特別賞受賞、公園緑化北村賞受賞、黄綬褒章受賞、日本造園学会 上原敬二賞受賞と、数々の受賞歴をお持ちの先生はまさに造園のエキスパート。

 

熱弁をふるう吉田先生

 

講座では、大きく「庭園の歴史と様式」「日本庭園のデザイン特性と空間構成技法」という二つのポイントに分けてお話しいただきました。

ニハ、ニワ(場・庭・廷)という言葉は、もともと神事を行う場所という意味に由来します。
例えば「朝廷」。毎朝臣官が立ち並び天皇を迎えるニワが転じて、天皇・貴族が政治を行なう場所や仕組みを指すようになったそうです。

ちなみに日本で一番古い庭園は、三重県伊賀市にある「城之越(じょのこし)流水遺構」。奈良時代に造られた、みそぎの庭だと考えられています。

 

 

 

 

この庭園は、池泉式と呼ばれる最も古い形式にあたりますが、時代が下るにつれ、枯山水、露地(茶の庭)、池泉回遊式庭園、平庭・坪庭と、流行のスタイルも変遷していきます。

先生は、実際にある庭園の写真を参照しながら、各型式の特徴について解説してくださいました。

 

 

次に日本庭園のデザイン特性について。日本は一貫して自然風景の表現に重点を置いた庭園ですが、写実と写意(すなわち創作的)という2つの視点が生きているということ。写実に終始するイギリス風景式庭園とは異なる点です。

 

 

写意には、縮景、自然現象の取り込み、不完全性の重視、間の活用といった特徴があります。

さらに、空間を構成する技法として、見え隠れ、遮り、障り、折れ曲がり、生けどり、借景、隅み掛け、結界、天地人をご紹介くださいました。

先生のお話を聴いて、日本庭園は極めて自然に、作為のないように見せながら、実はものすごく緻密に計算されているのだということがよくわかりました。

 

 

余談ですが、人を惹きつけてやまないある有名な古刹の庭も、先生から見れば「適当にできた、いい加減なもん」とのことでバッサリ斬っていたのには少々驚きましたが、やはり素人と専門家の見立ては違うものだなと思いました。

 

聞きなれない茶人の名前や専門用語が次々に飛び出し、理解が追い付かない所があったかなと気がかりでしたが、事後参加者からは「充実した楽しい時間でした」「大変よいお話が聴けました。若かったら造園を学びたいと思った」「有名な庭園の工夫や仕掛けがわかり面白かった!」とのお声を頂戴しました。

今後、新しい目線で日本庭園を眺めるきっかけになれば幸いです。

 

 

ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました!!