日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

通勤に使っている最寄りの駅で、最近ちょっと奇妙なことに気づきました。

毎朝、改札の前で幼稚園児を連れた若いママさん達を見かけます。
決められた時間に集合した後、先生がお子さんたちを引率して何駅か離れた場所にある園に向かうという体なのですが。

このママさんたち、互いに誰とも会話せず終始無言なのです。
手をつないだ自分の子どもに時おり話しかけはするけれども、先生を含む大人とはいっさい会話しない。
皆、きまり悪そうに所在なげに「早く出発の時間にならないかな」とヒリヒリとした思いでこの場をやり過ごしている・・・そんな風に見えるんです。
たしか去年まではママさんどうし、楽しげにおしゃべりしていたんですけどね 。

なんか、あれですかね。
私は子なしなのでママ友をもったことがなく、勝手な想像なんですけれども。

ママ友の付き合いはなかなかに面倒らしいと、噂には聞いています。

派閥に君臨するボスママがいるとか・・・
自分の子供や夫についてマウンティングする(「自分のほうが上」とアピールすること)ママがいるとか・・・
子供どうしは仲良くても親同志が仲が良いとは限らないとか・・・
先生に取り入ろうとするママは嫌われるとか・・・

そんなこんなの面倒を嫌って、同じ集団の中にあっても互いにコミュニケーションを極力とらないようにしているのではないか。
真相はわかりませんが、ママさんたちが沈黙しきっている様子はいかにも不自然です。

話はいきなり変わって、昨今話題になる日本の生涯未婚率。

2017年の内閣府の調査によると、男性の5人に1人(約23%)、女性の7人に1人(14%)が50歳の時点で一度も結婚したことがないという結果になっています。
1970年代、男女ともに生涯未婚率は2%だったことに照らせば、隔世の感があります。

ママさんたちの沈黙と非婚率。

一見関係なさそうな二つの事象ですが、そこには皆が何かを経験する前にすでに「大耳年増」に陥っている背景があるのではないかと感じています。

今はネットを検索すればたいていのことがわかります。

ママ友との付き合いはどうすればいいのか。
結婚相手にはどういう人を選べばいいのか。
自分は婚活市場で(嫌な言葉ですが)「勝ち組なのか」「負け組」なのか。
そもそも結婚して幸せになれるのか。

人は行動を起こす前に不安になると誰かに教えを請いたくなります。ネットに答えを求めれば、リアルな人間関係を超えて、専門家のアドバイスや見ず知らずの人たちの膨大な個人的な経験談を目にします。

「初対面で慣れ慣れしいママは要注意」「私の経験上、〇〇な男はマザコンだからやめた方がいい!」「結婚なんて人生の墓場。独身に戻りたい」・・・

背中を押してもらえる情報ならいいのですが、溢れる情報に触れることで不安が増し、人との関わりに二の足を踏むことになりはしないか。

孤独感を覚えたら、またネットの世界で同じ境遇の人を見つけて「私だけじゃない」と安心する・・・「私だけじゃない」はときに大きな心の支えになりますが、居心地のよさゆえに、そこから飛び出そうとする場合の足枷にもなります。

たとえば、昔の人は親の決めた相手と祝言の日に初めて顔を合わせるなんてことも珍しくなかったわけです。
今に比べれば情報が極端に少ない状態で、強引なマッチングによって結婚して、子を産み育て家庭を築く。
生物としてみれば、現代人よりも先人の方が明らかに強い。

テクノロジーの発達とともにもたらされた過度な情報によって、人との関わりに誰もが臆病になっていたとしたらつまらない。

ぶつかれよ、最初から避けるなよ、繋がれよ。

そんなことを思う年の瀬であります。

今年、和えの会に足をお運びくださった皆様、誠にありがとうございました。和えの会は、来年も小さいながらも様々なヒト・コトと繋がりたいと思います。
よいお年をお迎えくださいませ。