日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

6月24日(日)、日本人ことはじめ講座「日本の美/芸術鑑賞と感動の意義-人生100年時代を生きるために-」を実施しました。

毎年欠かさず実施してきた大阪国際大学准教授 村田先生による日本の美の講座。6回目の今年は、芸術作品を通して得られる「感動」に迫るべく、絵画鑑賞の方法を教えていただきました。

 

芸術作品を身近に感じさせてくださる話術は必聴、村田先生。こうやって拝見すると6年前からお変わりないことにも驚かされます!

 

はじめに、「最近の研究では、この感動力を高めることが若々しさを保つ(健康寿命を延ばす)秘訣であることがわかってきた。

感動力を伸ばすには絵画などの芸術作品に触れることが大切だが、ある程度芸術作品の見方を知っておく方が、より理解が深まり感動しやすくなる」

というお話から、美術の鑑賞法として注目を集めるVTS-Visual Thinking Strategies(対話による美術鑑賞法)-を用いて講座を進めていきました。

 

VTSとはアートを通じて鑑賞者の思考力とコミュニケーション力を育成する教育カリキュラムのことです。90年代にアメリカで開発され、近々は日本でも取り入れられています。

先生が今回とりあげてくださった作家は、鈴木晴信、与謝蕪村、葛飾北斎、竹内栖鳳、大石順教、熊谷守一。

鈴木晴信が描く少女漫画チックな胸キュンストーリーの楽しみ方、

トンビとカラスをそれぞれ二幅の絵にした蕪村のねらい、

100枚シリーズで出版されるはずだったのに怖すぎる!と不評で7枚で終わってしまった北斎の幽霊画と富士山にかかる雲を木目を使ってうまく表現した摺師の巧みな技、

竹内栖鳳が描く美人画にまつわるエピソード、

不幸な事件によって両腕を失い口で筆をとって書画を表した大石順教、

自然のありようを究極の観察眼をもって写し取った画壇の仙人、熊谷守一。

この日までハルカス美術館で展覧会が開催されていた鈴木晴信。ボストン美術館所蔵ゆえ次に同規模で見られるのは30年後になるだろうとのこと。

 

熊谷守一の頭の上にはカラス。自然と一体化した画人。

 

それぞれの画家とその作品にまつわる個人と時代の背景を解説していただきながら一つひとつの絵をじっくり鑑賞しました。

その間に、浮世絵屋のビジネス戦略、男女の着物の着方から見える登場人物の立場や当時の習俗、昔の人の旅の仕方など、村田先生の博識が惜しみなく披露され、参加者の間からは笑い声や感嘆の声が上がっていました。ほんとにおもしろかった!

 

 

今回は受講者の数が比較的少なかったので、皆さんそれぞれにご自身の考えや疑問を自由に発言できたため、VTSを実感していただけたのではないかと思います。

「知らないことばかりだった。作品の背景を知ると味わいが大きく変わることを実感した」「とても面白かった。浮世絵は奥が深い」「人物の描き方を知ると感慨深く、それが感動につながることがわかった」「自分の子供が大きくなったらVTSやってみたいなぁと思いました。絵画に付随する時代背景など沢山教えてもらえたので、リアルに想像しやすかったです。大石順教さんのお話のときにはちょっと込み上げてくるものがあり、泣いてしまいそうでした」

などのお声を頂戴しました。

考えてみると日本が誇る美術品「浮世絵」を和えの会ではまだ取り上げていません。有名な絵画の世界ランキングで北斎の「神奈川沖浪裏」が10位以内に入るほど内外で愛される浮世絵は次回のテーマの候補です。お楽しみに。

 

ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました!