日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

内田です。ものを買うときは、日本のものづくりを応援する意味でできるだけ日本製を買いたいと思っています。でも日本製を見つけるのが難しい分野のひとつが「衣料品」。みなさんご存知のとおりアパレルではMade in  China が席捲しており、日本製は瀕死の状態。それもそのはず、アパレル製品の国内生産比率は1990年に50%あったのが、現在はわずか3%だそうです。

実は海外の一流ブランドから信頼を寄せられるほどの高い技術をもった縫製・繊維工場が日本にはたくさんあるんですよね。それなのに、日本のアパレル業界の衰退を指をくわえて眺めることしかできないのか、なんとかしてよ、エラい人たち!!と胸を痛めていたところ・・・。

「知らずに消えていく日本の工場を救いたい」とある青年社長が立ち上がりました。ファクトリエの山田代表です。

衣料品の原価は通常2割。10000円の商品なら2000円が製造原価だそうです。そのうち1000円が生地代だとすると、1000円しか工場には残らない。これでは工場は疲弊する一方だし、いいものを作りたくでも作れないという悪循環に陥ってしまいます。

そこでファクトリエは、常識破りの「原価50%」と定め、工場には品質の追求に力を注いでもらいつつもしっかり利益が確保できるようにしたそうです。そして、中間業者をすべて省くことで消費者に高品質な商品を従来の1/2以下の価格で提供する仕組みを作りました。

どれどれ、とHPをのぞいてみると、職人が丁寧に作りこんだ白いシャツや、画像からも品質の高さがうかがえるニットが12000円とリーズナブル。たしかに既存のブランドで同じ商品が売られていたら間違いなく20000円超えそう。待ってました、こんなブランド。スバラシイ!!

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以下ファクトリエのHPより。

ファクトリエは、メイドインジャパンの工場直結ファッションブランドです。 職人の情熱と最高の技術がつまった、人に語りたくなるものを長く大切に使ってもらいたい、そんな想いと共にお客様に語れる本物をお届けします。

国内600以上の工場へ直接足を運び、世界の一流ブランドから生産を依頼されるような高い技術、誇り、独自のこだわりを持っていると判断した工場のみと直接提携。商品を生産しています。

また、中間業者を介さず工場と消費者を直接結ぶことで、工場独自のこだわりを詰め込んだ高品質な商品を、”適正価格”でお客様に提供しています。この仕組みにより、工場は適正な利益を確保でき、職人の技術やこだわりがつまった語れる“本物”を作っています。

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以下、朝日新聞デジタルより

強烈な逆風を受けながら、アパレル業界のタブーを破っていった

――服を買うときに重視するのは、デザインと値段、ブランドという人がほとんどだと思います。“どこで作られたか”をポイントに置く服選びは、新しい価値観の創出を目指しているように感じました。

山田 自分の着る服が“どこ製”なのかは、多くの人にとって大切ではありません。ですから、大きなチャレンジです。でも僕は、矛盾のなかにしかビジネスチャンスはないと思っているので、“どこで作られているかは気にしない”という価値観を、“どうでもよくない”という状況に変えることに挑戦しています。

もともとファッションの世界では、誰が作っているかを明かすのはタブーです。

理由はいろいろあるけれど、アパレルメーカー側には、ブランドイメージと工場という理想と現実のギャップをあまり世に出したくないこと、またライバルブランドに工場を知られると、年間生産量が決まっているなかで、生産量を奪われることや、技術流出の危険性が挙げられます。工場はアパレルメーカー側に守秘義務契約等の重い責任を課されていて、ホームページも持っていない。作っている人たちと、着る人たちの間には断絶がありました。

僕がまずやったのは、工場の情報を明かして、誰が・どんな場所で服を作っているのかをオープンにすること。これには業界の強烈な逆風が吹いたのですが、常識って今までの人たちが勝手にやってきたことだと思うし、僕がやりたいことを実現するには、常識通りにやることが無理でした。

~中略~

――山田さんはパリ留学から戻って会社員をした後、29歳で起業されました。そこから日本各地の工場を1年に100箇所、累計で600の工場をめぐったそうですね。まず、日本にそれだけの工場があることに驚きました。

山田 それは、多くの皆さんが知らない事実です。さらにいうと、1990年から2010年までに800万人の何らかのものづくりに携わる職人がいなくなりました。それも誰も知らないうちに。僕はそれが良い悪いではなく、資本主義の原理の中で「そんなものだよね」と黙殺されて、日本の様々な産業でものづくりが消えている現状に危機感があります。

ものづくりとは文化そのもので、ものづくりのできなくなった国は滅びるんです。ものを大切にする人は自分を大切にする、自分を大切にする人は相手も大切にする、これはコミュニティの基本です。

僕は、服を大切にしないことは自分を大切にしていないことだと思っていて、昔は当たり前にあった思いやりをもう一度取り戻したい。作った誰かに対してきちんと考えてものを大切に使う人を増やしていく、そういうチャレンジをしています。

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ファクトリエは店舗を持ちませんが、全国数カ所にあるフィッティングルームで品物に触れることができます。大阪にはまだフィッティングルームはないようですが、オープンしたらぜひ行ってみて「語りたくなる洋服」に袖を通してみたいです。