日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

内田です。早めの夏休みを取り、6月下旬に北欧の国、フィンランドに行ってきました。4泊6日、約20年ぶりの海外ひとり旅です。

フィンランドと聞いて思い出すことといえば、森と湖の国、ムーミン、マリメッコ、イッタラ、サンタクロース、トナカイ、サウナ、オーロラ・・・あたりでしょうか。

 

マリメッコ。セール中でした。

 

私も現地に行くまではこの程度の認識しかなかったのですが、旅を終えて一番強く心に残ったのは「けっこう日本人に似てる?!」というフィンランド人の気質です。

温和で人当りがよく、親切。フランス人の素気なさに慣れていたので、同じヨーロッパ人でもこんなに国民性が違うのか、とよい意味でショックでした。フランスどころか、これまで訪れた20ヵ国ほどの外国の中でフィンランドほど安心感を覚えた国はありません。日本以外の外国に住めと言われたら、フィンランドを選ぶかも。

例えば、こんなことがありました。

<説明が丁寧>

■ヘルシンキ空港に着いたとき、出口を間違えてスーツケースを持たずに到着ロビーに出てしまいました。外国ではイレギュラーな事態が起こったときの軌道修正に日本よりも時間がかかるので、これはまずいぞ・・・と不安顔になっていたら、一人の空港スタッフと目が遭いました。可愛らしいフィンガールです。

すぐに「どうかなさいましたか?」と声をかけてくれて事情を話したところ、

「残念ながら出口を間違えてしまいましたね。では、ここをまっすぐ行った右側にあるエレベータに乗ってひとつ下に降りてください。今私たちが立っているちょうどこの下あたりにドアがあります。その右側に各航空会社の係員を呼び出すブザーが4つあるので、その中のフィンエアーのブザーを押して事情を説明すれば、再度中に入れてもらえます」と丁寧に説明してくださるではないですか!おかげでスムーズにスーツケースが取り出せました。

日本では当たり前の対応ですが、外国ではなかなかお目にかかれない接客です。フランスだったら「下に行ってください」とひとこと告げられて終わり、また階下で別の人に聞きまくることになっていたはず。

■ツーリストインフォメーションで道や電車の乗り方を尋ねると、こちらの理解度に合わせて同じ内容を繰り返し伝えてくれる。

 

ホテルの最寄り駅のプラットホーム。広い!!平日日中なのに乗客はほとんどいない。それもそのはず、国の人口は540万人、人口密度は15.7人/㎢(日本は335人/㎢)。

 

<察してくれる>

■空港からホテルまではタクシーに乗らずに、自力で電車と地下鉄を乗り継いで向かいました。初めての国で事情もよくわからないのでちょっと不安でしたが、タクシーの1/5の料金ですからね。

ホテルの最寄り駅に着き、地図とにらめっこをしていたとき、向こうからおば様が歩いてきました。一瞬、その方に道を聞こうかと顔をあげたのですが言い出せずに「こっちだろう」と検討をつけて歩き出したところ、おば様はわざわざ引き返してきて「どこに行きたいの?」。おば様も確かではなかったので別のカップルをつかまえて確認してくれました。

 

 

ホテル近くのヨットハーバー。

 

■パスポートのコピーを取ってもらうためホテルのレセプションに向かっていたところ、持ち場に戻ろうとしている受付女子を見かけ「おはよう」と互いに挨拶。私は彼女が受付に戻ってから用件を伝えればいいと思っていたのですが、彼女は何かを察したのか、行きかけたのに振り返って「May I help you?」とあちらから声をかけてくれたのです。これにはびっくり。以心伝心とは、おぬし、なかなかやりおるな!

 

 

 

 

湖と林に囲まれたホテル。ヘルシンキの中心から地下鉄で10分ほどの距離で北欧らしい清々しい風景が広がります。

 

■空港で電車の切符を買うのにまごついていた時も、スタッフから声をかけてくれました。

たいていの国では、こちらから声をかけない限り対応してくれませんよね?察してもらうことなど、まず期待できない。自分の要求は言葉にしてその都度伝えないといけないので、日本人のように察してくれるフィン人に親近感を覚えました。

 

<チップを受け取らない>

■フィンランドにチップの習慣はないと聞いていたのですが、念のためベッドメイキングのチップを置いておきました。が、チェックアウトの日まで受け取られることはありませんでした。

 

窓から湖が見える快適な部屋で毎晩ぐっすり。

 

折り紙でつのこう箱を作り日本を演出しましたが、チップは帰国の日までそのまま。

 

<移民系の人も>

■量り売りと知らずにスーパーでオレンジを買ったとき、アフリカンな店員さんに「計量してきて」と言われるも「やり方がわからない」と言うと、お姉さん自らレジを出て計量し値段のシールを商品に貼って戻ってきてくれました。

別の国なら、かったるそうに「あそこ」と指さされた場所に自ら向かうはめになっていたはず。

■駅のトイレが使えなかったとき、構内をお掃除しているインド系とおぼしき女性にトイレの場所を尋ねたら、隣の建物までの行き方をきちんと教えてくれました。

こんなささいなことを特筆する理由は、フランスでは、オリジナルのフランス人よりも移民系フランス人はさらにぞんざいな対応をする印象があるからです。「朱に交われば赤くなるのだなー」としみじみ思いました。

まあとにかく、フィン人は尋ねたこと、お願いしたことについては快く親切に対応してくれるので、滞在中も日本と変わらない安心感をもって出歩いていました。治安は日本よりもよいと言われており、英語もよく通じるので助かりました。ちなみにフィンランドの教育水準は世界一らしいです。

 

編み物に精を出す市場のおばちゃん。

 

 

<究極の性善説?!>

■フィンランドで何が驚いたって、地下鉄、電車問わずどの駅にも改札ゲートがないことです!!でも無料で乗っていいということではありません。切符を買うことは求められます。もし無賃乗車が発覚すると80€の罰金を取られます。

でもねえ、これじゃあタダ乗りし放題じゃないか、日本の感覚で言えば乗車している距離に対して倍ほどの料金とられるしお財布直撃だよ(さすが高福祉国家)・・・・と、正直に言えば私も一度、切符買わずに地下鉄に乗りました。が、そういうときに限って鉄道警察が乗ってくるんですよ~。幸い「切符拝見」とはならなかったので、ひやっとしただけで済みましたが。

それ以降、「お天道様は見ている」と肝に銘じ切符は買いましたが、どうも地元の人を見ても切符を買っている様子はないし、改札機(日本のバスに据え付けられているようなやつ)にパスをかざしてピッとしている人も少ない。中央駅のそれさえ一台しかなかったりと全体にやる気が感じられない。

ホテルのレセプションで、なぜ改札ゲートがないのか聞いてみました。答え「私にもわかりません(笑)」。「最近、改札なしのシステムになったんですが、馬鹿なやり方だと思う。あれでは切符を買う方が難しい」とのこと。フィン人にも不可解なシステムのようです。高福祉国家なので移動は公共サービスの一環、切符はお志で、ということなのでしょうか。理由はわからないままです。

 

<体格も・・・・>

■スウェーデンなど北欧人は非常に大柄なイメージがありますが、フィン人はそんなに大きくないです。女性も日本人と同じくらいの背格好で小柄な人が多く、男女とも平均身長は日本人よりちょっと大きいかなという印象。これも意外でした。実際、北極圏近くに住むラップ人はアジア系と聞きますし。体格の面でも親しみを感じました。

 

反対に日本と(フランス含め他のどの国とも)違うなと思ったのは、テレビ番組などで起用される女性が年齢や容姿で選ばれていなさそう、ということ。ニュース番組や歌番組のほか、特にフィンランド版の「ホテル?トリバゴ!」のテレビCMを見て強く思いました。私はフェミニズム教信者ではないのですが、メディアに登場する女性の年齢や容姿がとりわけ重視される日本に比べると、フィンランドは女性を見る視線が多様な分「大人の国」かもしれないなと思いました。

長くなったので②へ続きます。