日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

7月14日(土)、日本人ことはじめ講座「日本の技/大阪欄間 工房見学」を実施しました。

欄間(らんま)とは、採光、通風、装飾といった目的のために天井と鴨居との間に設けられる和室の開口部材のこと。昔の中国で隣の部屋に置いた欄の花の香を嗅ぐために設えられたことからそう呼ばれているそうです。

住宅事情の変化によって和室が減ってきたため、一般のお宅で欄間を見る機会は少なくなりましたが、「大阪欄間」は経済産業大臣指定の伝統的工芸品。需要が減り廃業を余儀なくされる工房が続く中、数少ない職人さんがその伝統を継承すべく奮闘していらっしゃいます。

 

 

今回訪問した伝統工芸士の目賀さんは、寺社仏閣の建築を手掛ける世界最古の企業「金剛組」(創立はなんと聖徳太子が活躍した飛鳥時代!!)から、長年欄間の製作を請け負ってこられました。成田山新勝寺総門の彫刻も手掛けた腕利きの職人さんです。

 

伝統工芸士の目賀さん

 

現在、目賀さんはちょうどあるお寺から欄間の製作を請け負っており、そのお仕事の話を中心に、欄間についてのあれこれを1時間ほどお話しくださいました。

一口に欄間と言っても、彫刻、透彫(すかしぼり)、筬(おさ)、埋込(うめこみ)、書院、組子、節抜(よぬき)といった種類があります。

 

欄間の種類について説明していただきました。

 

それぞれの欄間の特徴と作り方、用いる木材とその特徴、住宅事情との関係、外国製品との競合、業界の事情、残った木材で作る工芸品などについてお話しいただきました。

驚いたのは、用いるノミの数です。なんと400種類もあり、刃の大きさや形、微妙な刃の曲がり具合や角度の違いによって、細かく使い分けるのだそうです。

 

彫刻欄間の場合は特に多くのノミが用いられる。

 

職人さんの仕事を拝見していつも思うのは、その仕事を支える道具を作る職人さんの腕もすごいな、ということです。

続いて、荒彫りの作業の様子を見せていただきました。

 

 

 

表だけでなく裏にも彫刻が施されています。

 

次にミニ欄間の製作体験です。

 

 

あらかじめウサギと月を象ったものを受け取り、面取りしていきました。

このときどの方向に彫刻刀を動かせばよいか示した紙をもらったのですが、これに従って彫ると、実に木が素直に削れてケバ立たないのです。不思議だ~。木の性質を知り尽くしているからこそのアドバイスです。

 

 

彫刻刀を持つのは小学生以来かも?!

 

 

目賀さんがお手本で彫って見せくださったときは簡単そうだったのに、やっぱりやってみると、削り口がささぐれだったりしてきれいにならないんですよね。でも目賀さんの手にかかるとそのささくれも滑らかに。のみの持ち方と動かし方で仕上がりに差が出ることを実感しました。

 

面取りしてできあがり。

 

クスノキの木くずで作ってくださった匂い袋。巾着は奥様お手製。すっごくいい香り!!

 

最後はこの彫刻の技を日常生活にどう取り入れていくか、みなで考えを出し合いました。

住宅事情の変化によって二間続きの和室がある家も少なくなった昨今、欄間の需要もおのずと減り、今後どうやってこの技術を伝承させていくのか。「絶やさないでください」と第三者は簡単に言うけれども、当事者にとっては本当に切実な問題だと思います。欄間のエッセンスと現代のライフスタイルをつなげる優秀なコーディネーターがいればなあ・・・とそんなことを考えながら帰路につきました。

 

 

どなたかいいお知恵ないですか?ご連絡お待ちしております。

 

 

ともあれ、ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました!