日本人ことはじめ講座は、日本人らしさゆえに世界を魅了する無名の日本人を増やします。

12月16日(日)、日本人ことはじめ講座「日本の宮/桂離宮見学」を実施しました。

事前申し込みがネックになって、案外「行ったことがない」という人の多い桂離宮。そうだ!桂に行こう!と9月に思い立ち宮内庁のHPを見ると、紅葉が美しく気候のよい10月~11月は、すべての日、すべての回がほぼ満員状態。直近で残席が10名以上あったのは、この日の12時の回のみでした。

1グループあたり4名しか申し込めないため、2グループ8名で申し込みました。申し込み多数の場合は抽選になるため、翌日「参観許可通知」がくるまではドキドキでしたが、無事全員行けることに。ちなみに当日券(各回20名)もありますが、この日は午前中のすべての回で、まるまる20名分余っていましたよ。

桂駅に11時過ぎに集合し、そこから皆で歩いて現地に向かいました。所要15分弱。皆さん関西在住ですが、桂には行ったことがない方ばかり。

 

右手に見える木々は桂離宮の庭木。住宅地の中を進みます。

 

見学開始20分前に受付が始まりました。

 

 

見学にあたって、今年の10月までは無料でした。が、11月からは一人1000円の参観料が必要になりました。観光客の増加を背景に、受け入れ人数を従来の3倍に増やすことになったからだそうです。参観者が増えれば、庭や建物の負担が増すのは必定。そのための修繕費を捻出するには致し方のないことでしょう。

 

一人1000円のチケットを購入。

 

待合室で時間まで待機します。

 

ドイツの建築家ブルーノ・タウトにより世界的に知られるようになった桂離宮は、今から約400年前に、後陽成天皇の弟 八条宮初代智仁(としひさ)親王により、宮家の別荘としてこの地に建てられました。修学院離宮や京都御所とともに宮内庁が管理しています。

 

所定の時刻になると、職員さんの誘導で回遊式の園内を進みました。要所では見どころの解説をしてくださいます。

 

 

地面に生えている苔を傷めないために飛び石の上を歩くようにと事前に注意を受けました。実際、写真を撮ったり美しい景観に目を奪われたりしているとうっかり踏み外しそうになります。

 

御成門。向こうに行くに従って道幅が狭くなっています。遠近法を使って奥行を出すための仕掛け。

 

切石と自然石を巧みに組み合わせた延段。

 

 

冬に備えて菰を着せられたソテツは、さながらアートオブジェのよう。薩摩の島津家からの献上品だそうです。菰自体が美しく施されており、庭師さんの丁寧な仕事ぶりがうかがえました。丁寧に自然を大切に思う日本人の心遣いを感じます。

 

 

松琴亭の襖は青と白のモダンな市松模様。和紙の繊維を青く染めてから漉いているため色落ちしにくい。

 

飛び石の周りの苔はすでに傷んでいます・・・

 

 

園内に4つある土橋のうちのひとつ。

 

 

月を鑑賞するためにこの正面の池に突き出すように簀子で作られている月見台。

 

 

 

月波楼の天井。船底のような形に組んである。今年の大阪北部地震では震度5だったにもかかわらず離宮の建物はどれも無傷だった。

目隠しの松。のちのサプライズを意図して庭全体を見せない工夫。

 

この記事を書きながらつくづく思うのは、一部分を切り取ったこんな写真をいくら並べても、桂離宮の魅力はまったく伝わらないということです。

「苑路を進むと池はまったく姿を消したり眼前に洋々と広がったり、知らぬ間に高見みあったり水辺にあったりしてその変化に驚かされる」「入江や洲浜、築山、山里等もあり、それぞれが洗練された美意識で貫かれ、晴雨にかかわらず四季折々に映し出される自然の美には感嘆尽きることを知らない」とパンフレットの解説にあるように、離宮の造りは細部に趣向を凝らしに凝らしつつも、全体が完璧な調和の中にあるからです。言葉にしようとしても陳腐になってしまう。百聞は一見にしかず!です。

ゆえに離宮の美しさを表現することは早々に諦めて、参加者の感想をご紹介します(笑)

「職人のこだわりを感じた」「どこを見ても綺麗で心落ち着く。癒された」「モダンだとは聞いていたけど本当だったと実感した」「昨年和えの会で聴いた日本庭園の講話とリンクする仕掛けや工夫とリンクして楽しめた」「招いた客人を飽きさせない工夫や仕掛けが盛りだくさんで感心した。造った人もきっと楽しかったと思う」。

桂離宮は、先人が自然を味わい愛(め)で尽くすために、日本人の美意識をたぎらせた仕掛けと贅をまとって造られた夢の苑、洗練の極み・・・私が言えるのはこれだけです。

 

 

 

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。